【知らずに不安にならないで】早産・切迫早産とはどんなもの?赤ちゃんへの影響は?

「友達が切迫早産になって安静になっちゃったって聞いて」「早産にならないか漠然とした不安がある」

そう思ったことがある方も多いはず。元気な赤ちゃんを産むために「早産」は避けたいですよね。でも早産・切迫早産って実際どんなものなの?何がいけないの?赤ちゃんにどんな影響があるの?と聞かれるとよくわかっていない方も同時に多いです。

人間は、未知でわからないことに不安を覚えるものです。この記事を読み、早産・切迫早産について知ることで、不安を解消していきましょう。

目次

【まずは基本】早産とは

早産とはどんなもの?

まず早産は簡単な言葉で説明すると、「産まれてきて良い時期よりもはやく産まれる状態」のことを言います。

通常は、37週から41週6日までが産まれてもいい時期(正産期)とされています。
それよりも早い妊娠22週0日から妊娠36週6日までに赤ちゃんが産まれてしまうことが「早産」です。

さらに妊娠22週未満に産まれてしまうことは流産と言い、呼び方が異なります。

早産の種類

早産は自然に起こってしまうもの(自然早産)と、何か問題があったために人工的に出産させるもの(人工早産)があります。

・自然早産:早産全体の75%
・人工早産:早産全体の25%

早産と切迫早産の違い

「切迫早産」は早産になってしまう可能性がある状態をさします。

日本産婦人科学会でも以下のように説明されています。

切迫早産とは早産となる危険性が高いと考えられる状態、つまり早産の一歩手前の状態のことをいいます。
子宮収縮(お腹のはりや痛み)が規則的かつ頻回におこり、子宮の出口(子宮口)が開き、赤ちゃんが出てきそうな状態のことです。

日本産婦人科学会HP 「早産・切迫早産」 https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=5

【数字で読み解く】早産の割合について

実は少子化が進んでいるにも関わらず、早産で産まれる子の数は増えていると言われています。

2020年時点では、世界全体で推定1340 万人の赤ちゃんが早産

Ohuma E, Moller A-B, Bradley E (in press). National, regional, and worldwide estimates of preterm birth in 2020, with trends from 2010: a systematic analysis. Lancet. 2023.

しかし日本は、他の国と比較すると少し少なめで

日本の早産児の割合は5%であり、欧米の早産率8-12%より低い

Isayama T:The clinical management and outcomes of extremely preterm infants in Japan: past, present, and future,Transl Pediatr,Jul;8(3):199-211,2019

ただ5%いることは確かで、年々増加傾向であるのも確かな事実です。

【なぜ危険?】早産による影響

妊婦さんを不安にはさせたくないのですが、知らずに後悔してほしくないのと、知らないことが逆に不安になってしまう方もいらっしゃると思うので説明していきますね。

ではなぜ早産を避けたいかというと、早く産まれてしまうと死亡率や合併症の発生率が高くなってしまうからです。

早産の合併症は、5 歳未満の子どもの死亡原因の第 1 位

Perin J, Mulick A, Yeung D, et al. Global, regional, and national causes of under-5 mortality in 2000-19: an updated systematic analysis with implications for the Sustainable Development Goals.

少し安心できるポイントとしては日本の医療はすばらしいということ。以下のようなデータが出ています。

32週未満、1500g未満の出生体重の早産児の死亡率は日本では5%であり、欧米(アメリカ12%、カナダ8%)に比し低く、日本の周産期死亡率は世界で最も低い水準

Isayama T:The clinical management and outcomes of extremely preterm infants in Japan: past, present, and future,Transl Pediatr,Jul;8(3):199-211,2019

しかし生存することができたとしても合併症が残ってしまう可能性は多いにありえます。

特に臓器の中でも肺の機能が完成するのが34週です。結構遅めなんですね。そのため34週よりも前に産まれてしまうと、呼吸の機能が十分ではないので、人工呼吸器が必要となりNICUという新生児の集中治療室に入らなければいけなくなってしまいます。

ほかにも頭の出血(脳室内出血)が起こり、足が不自由になったり視力障害などにつながる可能性もあります。実際に私もそういった子のリハビリをさせてもらっていたこともあります。

【意外な事実】早産と生活習慣病の関係

早産で生まれる子は同時に小さく生まれる(低出生体重児)の子が多いですが、その子たちは生活習慣病になりやすいと言われています。

生活習慣病と聞くと、太っている大人がなるイメージがあると思うので、小さく産まれて痩せ気味なのに生活習慣病になりやすいってどういうこと?と疑問に思いますよね。

実は小さく産まれる子たちは、飢餓状態であることを遺伝子上記憶され、本能的に「栄養を蓄えよう!」としてしまうため、代謝が悪い身体になってしまいます。そのため、生活習慣病になりやすいんですね。

まとめ

今回は早産・切迫早産についての基礎・基本をお伝えしていきました。

早産・切迫早産はどういうものなのか?なぜ早産を避けたいのかを理解できたでしょうか。どんなものか理解をすることで、漠然とした不安を軽減していきましょう。

また早産がなぜ起こるのか、どうしたら予防できるのかということに関しては次回の記事や講座の中で詳しくお伝えしていきます。参考にしていただけましたら幸いです。

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