「毎日吐きそうでしんどい」「周りの人に理解してもらえなくて辛い」「一旦人間辞めたい」
この記事に辿り着いてくれた妊婦さんは、そんな気持ちになっている方も多いかもしれません。
私自身もとてもつわりに苦しみました。そしてつわりがなかったという他の方の話を聞くといいなという思いと、なぜだろうという気持ちにもなりました。
その経験から、つわりが終わってから調べた結果を皆さんにもシェアさせていただけたらと思ってこの記事を書いています。
今現在も苦しんでいる妊婦さんが少しでも希望がもてたり、心が楽になるきっかけをつくれたら嬉しいです。
つわりが起こる原因やメカニズム
つわりの正確な原因やメカニズムは不明だと言われています。しかしさまざまな研究から現段階で言われている説の一部を紹介します。
ホルモンバランスの変化
妊娠中には主に3つのホルモン変化が起こり、つわりの原因と関係している可能性があると言われています。
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
妊娠検査薬で反応するのがこのhCGです。妊娠を継続するために必要なホルモンで、このあと出てくるプロゲステロンやエストロゲンの分泌量を増やす作用があります。
妊娠5週ごろから増え、10週ごろにピークを迎えると言われているホルモンです。つわりの程度とも一致していることから、つわりの原因になるホルモンとも言われているのです。
妊娠前までは、このホルモンを待ち望んでいたのに、つわりが来た瞬間に悪者扱いの気の毒なホルモンですね(苦笑)
プロゲステロン
子宮筋を緩めるなど、妊娠継続に必要なホルモンです。筋肉を緩める働きがあることから、胃や食道の筋肉も緩めてしまうことで、より吐き戻しをしやすくなるのではないかという説もあります。
エストロゲン
こちらも子宮筋を緩める働きがあるホルモンです。更年期障害で用いられるホルモン補充療法ではこのエストロゲンを補充しますが、その副作用にも吐き気や胃のむかつきがあると言われています。
よって妊娠中にエストロゲンの分泌量が増加することも、つわりの原因のひとつかもしれません。
低血糖
つわりで食事がとれないと低血糖になってしまいます。その低血糖の症状として、吐き気が出ている可能性があります。
私自身も低血糖のときに吐き気が強くなると感じていたので、寝る前にベッドサイドにゼリー飲料やグミなどを置いておき、目が覚めてから起き上がる前に食べるような対策を取っていました。
ちなみに余談ですが、英語でつわりはmorning sicknessと呼ばれます。朝に症状が起こりやすいという理由だそうですが、これも朝に低血糖になりやすいことが関係しているのではといわれます。
ミネラル不足
妊娠していてもしてないくても日本人のほとんどがミネラル不足だといわれています。つわりとも関係している可能性があるといわれ、研究が進められています。
マグネシウム
マグネシウムはカルシウムと拮抗作用があるといわれます。そのため、マグネシウムが不足するとカルシウムは相対的に多くなり、高カルシウム血症になる可能性があります。高カルシウム血症では胃液の分泌量が増えるため、つわりにつながるのではといわれています。
カリウム
妊娠中カリウムは、胎児や胎盤に大量に取り込まれ、不足しやすい成分です。カリウムが不足することで腸の動きが悪くなったり、血液内のバランスが乱れ、つわりを悪化させる可能性があるといわれます。
ナトリウム
ナトリウムが不足すると、血液中の浸透圧が低下します。また妊娠中は6〜12週で急激に浸透圧が低下するともいわれています。浸透圧の変化が急激に起こると圧調整がうまくできずに、脳まで浮腫んでしまうそうです。その結果、吐き気につながる可能性があるといわれます。
ストレス
ストレスがかかるとマグネシウムが過剰に排泄されます。その結果、マグネシウム不足になりつわりを引き起こす可能性があります。
人によるつわりの有無や程度の違いの原因は何?
ホルモンの分泌量の違い
先ほど紹介したhCGやエストロゲンの値が大きい人は、つわりが重くなる可能性があります。
性別と胎児の数
環境省が行なっているエコチル調査と呼ばれる大規模な追跡調査(対象者91,666人)では、以下のように言われています。
男児の妊娠に比べて女児の妊娠で、単胎妊娠よりも多胎妊娠で、つわりを経験するリスクが高く、とくにより強い症状のつわりを経験するリスクが高くなっていた。
Severity of nausea and vomiting in singleton and twin pregnancies in relation to fetal sex: the Japan Environment and Children’s Study (JECS)
女の子双子ちゃんの妊婦さんがもっとも強い症状のつわりになるリスクが高いという結果になっています。
人種
海外の方と比べたことがある方は少ないと思いますが、白人に比べて日本人は同じ週数でもつわりの原因とも言われるホルモンの値(hCG値)が高いと言われているそうです。
まとめ
今回はつわりの原因と人による違いはなぜ起こるのかについて解説していきました。
妊娠継続のために必要な変化の結果起こっているものもありますが、普段の生活の意識で緩和できる可能性があるものもありましたね。
今は辛い時期かもしれませんが、原因になっているものをご自身が無理なく行える方法に合わせ排除・補充し、少しでも辛いつわりが緩和することを祈っています。何よりも一人で抱え込まず、周りの方を頼りながら乗り越えていきましょう。
参考文献:恩田威一:特集 周産期管理がぐっとうまくなる!ハイリスク妊娠の外来診療パーフェクトブック,産婦人科の実際 65巻10号,1199-1208,2016年9月